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未来予測本から見える3つの未来

ストレングス・ファインダーでも強みに未来志向と出ているように (前回のブログ) ,未来の世界についてあれこれ考えることが非常に好きである.最近 3 冊の未来予測本 (科学の未来,地球環境の未来,働き方の未来) を読んだので,軽くまとめてみた.

科学の未来

2100年の科学ライフ

2100年の科学ライフ

筆者 (理論物理学者) が 300 人の科学者へインタビューした内容をもとに,近未来 (~2030年) / 世紀の半ば (2030~2070 年) / 遠い未来 (2070~2100 年) に,科学によって世界がそれぞれどのようになっているかを予測した本.コンピュータ,人工知能,医療,ナノテクノロジー,エネルギー,宇宙旅行…と,分野ごとに未来予測をおこなっている.SF の世界のような話が多いが,現在の研究成果などをもとにした理論的裏付けもしっかりと書かれており,あながち夢の話でもないな〜とわくわくしながら読んだ.かなりボリュームがあったが,おもしろくて最後まで飽きずに読めた.

以下の 3 つが印象に残った.

コンタクトレンズ型コンピュータ
近未来に実用化されると書かれていた.もうプロトタイプはあるみたいで,人体にも影響がないようだ.将来当たり前にみんなが使うことになるのだろうか.Google Glass と同じ道をたどる気もする…

② 医療
人工知能が医者に取って代わるのは当然のことで,それだけでなく,遺伝子解析のコストダウンやナノテクによりガンを早期発見できるようになったり,老化を防ぐことができるようになったりすると書かれていた.医療情報とか生物情報とかってまだまだ発展途上だと思うし,どこまで実現するのかが楽しみになった.

③ 脳でモノを操作
入力インタフェースってどんどん人が楽になる方向に向かってるし,これがその究極形なのかなと思った.上記の遺伝子解析もそうだが,このような技術が実用化されると当然プライバシーの問題が顕在化してくるので,仮に実用化されたとしても普及するかどうかはそことの摩擦次第な気がする.

地球環境の未来

2052 今後40年のグローバル予測

2052 今後40年のグローバル予測

1970 年頃に「成長の限界」の作成に携わった筆者が,それから 40 年経った今,次の 40 年後の地球環境を予測した本.学生の時に 1 度読んだが,改めて目を通してみた.現状のまま何の対策も講じずに 40 年経つと,地球は崩壊はしていないが廃退は進んでいるとして,かなり悲観的な未来を描いている.だからといって世界の国々が対策に乗り出すわけではなく,それは資本主義と民主主義が短期志向であるが故であると筆者は述べている.

確かに多くの企業は直近の利益にとらわれがちであるし,政治家も次の選挙で生き残ることしか基本的に考えていないのは明白である.その中で「地球の持続可能性」に多くの GDP を投資することはかなり難しい問題であるように感じる.しかし,実際に影響が出始めてから考えても手遅れなので,そうなる前に何かイノベーションが起きてほしいと思う (できれば起こす側にまわりたい) .

多くの問題が取り上げられていたが,以下の 2 つの問題は中でも特に深刻だと感じた.

① 気候変動
地球温暖化により今世紀中にさらに 2℃ ほど気温が上昇し,海面上昇などにより人々が住める場所が圧迫される.これを食い止めるための技術として,CCS (CO2 を回収して地中に貯蓄する技術) の可能性などが挙げられていた.
② エネルギー
石油・石炭などの化石燃料は終焉するので,太陽光発電などによる再生可能エネルギーが台頭してくるタイミングがくると述べられている.上項の気候変動を食い止めるためにも,普及のための技術が確立され,はやく取って替わってほしいと思う.

働き方の未来

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

2025 年という近未来を形づくる 5 つの要因をテクノロジーの変化,グローバル化の進展,人口構成の変化と長寿化,社会の変化,エネルギー・環境問題の深刻化とし,それらを踏まえた上で,どう働き方をシフトさせていくべきかを提示している.この本も学生の時に 1 度読んだが,社会人の立場から改めて読んでみた.

以下の 3 つのシフトを行う必要があると述べられている.

① 知的資本のシフト : ゼネラリスト → 連続スペシャリスト
グローバル化とテクノロジーがともに進展し,かつ Web で誰でも簡単に情報にアクセスすることができるようになった今,広く浅くの知識は価値をなさなくなっている.そのため将来は専門技能を時間をかけて習得することが必須であり,それもリスクヘッジのために複数の技能を持つ必要があると述べられている.これには同意であり,1 つの企業に勤め上げる時代ではなくなった今の世の中を生きていくためには,他人にはまねできない自分だけの強みを持つ必要があるように感じる.

② 人的資本のシフト : 孤独な競争 → 協力して起こすイノベーション
人的資本のシフトとして,筆者は,次の 3 つのタイプの人間関係を持つことが必要であると述べている.1 つ目が「ビッグアイデアクラウド」であり,自分のコミュニティ外にいる様々な専門技能を持った人々と結びつき,それらの技能を統合することでイノベーションを生み出すものである.知的資本のシフトでは連続スペシャリストになることが促されていたが,自分 1 人で全ての技能を習得することができるわけではないので,それらの結びつきを組み合わせなければならない.2 つ目が「ポッセ」であり,コミュニティ内にいる同じ専門技能を持つ人々の集まりで,お互いに切磋琢磨しあえるような人間関係である.3 つ目が「自己再生のコミュニティ」であり,Web が発達し,生身の人間との接点が少なくなる時代に,安らぎを与えてくれるような人間関係である.

③ 情緒的資本のシフト : 大量消費 → 情熱を傾けられる経験
情緒的資本のシフトとして,働くことを評価する基準を「豊かさ」「贅沢」から「幸せ」「再生」に転換する必要があると筆者は述べている.これはよく言われていることだと思うし,そういう時代なのだと思う.