あるエリアの混雑度を推定できる5つの方法

最近,屋内位置情報を活用したO2Oマーケティング事例をよく見かける.その中の大部分はBeaconを用いた事例のように思うが,他のアプローチにどのようなものがあるかが気になった.

例えば,あるエリアの混雑度推定に対するアプローチはBeacon以外にも割と沢山あるのではないかと思い,調べてまとめてみた.精度は置いといて,以下のアプローチのどれも用いても推定できる気がする.

1. Beacon

活用事例
First look: Using iBeacon location awareness at an Apple Store
Estimote Beacons — real world context for your apps
マタナイ

Beaconから検知可能にするには,デバイスのBluetoothをONにしておかないといけず,バッテリーが減りやすいのがデメリットのように思う.

2. 二酸化炭素

活用事例
CiNii Articles -  User Context Recognition for Use in Wearable Learning Systems Based on Congestion Level Estimation of the Inside of a Train Using a Carbon Dioxide Sensor

この論文では,二酸化炭素濃度の変化により混雑度を推定している.ユーザのデバイスを発信源するのではなく,ユーザそのものを発信源としているのがおもしろいと思った.ただ,人が増えると濃度が高くなるが,1回高くなると人が減っても残り続けるため,精度はあまりよくないみたい.

3. 超音波

活用事例
JRの運行状況や駅情報などを超音波経由でも入手可能な「JR東日本アプリ」を使ってみました - GIGAZINE
Dolphin Scan

前者は今年の3月からJR東日本が展開しているサービス.車両の混雑度も取得できるみたい.
最近超音波を利用する機会があったのだが,周りが騒がしかったりすると誤検知が多かったりした.ただそれは20kHzあたりを用いていたからかもしれず,もっと高周波にするとそのようなことはほぼなくなるかもしれない.

超音波は「音」なので,デバイス非依存,ペアリング不要といった点がメリットであるように思う.

4. 赤外線

活用事例
混雑状況管理システム

上記のシステムでは赤外線の変化量で混雑度を推定している.赤外線は,人が近づくと点灯するライトのように,一部のスポットに限定した利用方法としては優れているが,ある程度広いエリアになると精度は低くなるようである.

5. 光

活用事例
ByteLight – Indoor Location-Based Services

Bytelightでは,LEDライトを点滅させ,それをデバイスのカメラで検知する.LEDライトは高速で点滅させるため人間には見えないようである.超音波のアプローチと非常に似ている.


様々なアプローチがあるが,どれも長所と短所があるので,どれが優れているとは一概に言えず,結局はケースに応じて最もよいものを利用すべきであると思った.O2Oは可能性が広がっていそうで楽しい.