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研究に関して思うこと

B4からM2まで3年間研究をしてきたが,研究というものをそこまで好きになることができなかった.

B3までのただ講義を聞いてノートを書くだけの退屈な大学生活に比べると,それまでで学習してきたことを武器として活かすB4からの3年間は,大学生活の本番という感じでそれまでの何倍も楽しかった.また,単位を取るのは受動的な態度でも可能だが,研究を進めるには主体的な態度でないとうまくいかない.そのような点においても,自分の頭で考えて進めていく研究生活はそれまでの生活と比べてやりがいがあったし,性格面でも主体性が身に付いたように感じる.

ただ「研究」自体はなかなか好きになれなかった.確かに成果が出ればうれしいしモチベも上がるが,それは試験で100点を取った時の感覚に似ていて,自己満足に近い感情しか生まれなかった.すなわち,研究とは本来社会への貢献のためのものであるはずが,それらを結びつけて考えることがなかなかできなかった.自分のやっていることが◯◯に役立ちます!という毎回口にする目的は,あくまで自分の中では形式的なものにすぎなかった.自分の行った研究がもしかしたら世界中の人々に役立つ日が来るのかもしれないし,誰の役にも立たないかもしれない.また,誰かに役立つ日が来るとしても,それは数ヶ月後かもしれないし,数年後,数十年後かもしれない.

だから僕は,直接的に自分の行ったことの成果が見えやすいビジネスの世界で生きたいと思い,この段階で就職するし,さらにエンジニアとしても,同じ理由で,バックエンドよりもユーザに近いフロントエンドで働きたいと思っている.また,これは完全に各人の相性,すなわち向き不向きの問題であると思うのだが,自分の周りには「研究が楽しい」と感じている人がかなり少ないような気がした.向き不向きといっても,アカデミックな研究が向いている人はほんの一部であり,僕のような考えの人が多いのではないだろうか.今はまだ経験が非常に浅いので,もしかしたら僕も歳を重ねるとまたアカデミックの世界に戻りたいと思う日が来るのかもしれない.

ただ,研究におけるプロセスは,ビジネスでも直接活きると思っている.アイデアを考え,似たようなアイデアが他にないか確かめ,そのアイデアをどう実現させていくかを考える,というのは,研究においてもビジネスにおいても全く同じであり,単にレイヤーが異なるだけである.社会に出ても,3年間の研究生活で得られたものを存分に活かしていきたい.

また,(研究に打ち込んだわけではないものの)大学院生活自体は非常に楽しく,充実していた.本来社会に出ていてもおかしくないはずの歳で,大学院生として生活できるのは非常に恵まれた環境であったと思うし,これまでの人生と比較しても非常に密度の濃い生活だった.情報系は特に日々の時間の制約も少なく,やりたいことを沢山やって自由に生活することができた.仲間にも恵まれた.本もいっぱい読めて,多方面への興味が広がった.

3年間自由奔放な生活を送っていた自分を受け入れていただいた先生に本当に感謝しているし,尊敬もしている.いい意味で放置な環境であったので,自分のペースで研究を進めることができた.以下は以前見つけたブログ記事だが,自分もこの人と同じように放置のメリットを活かし,特にストレスもなく楽しく大学院生活を送ることができたように思う.

・大学院にはガチ放置な研究室があり,メリットとデメリットがある
・放置系はメリットを活かせば(人によるかもしれないが)楽しく過ごす事ができる
・自分は放置系で非常に楽しく,充実した大学院生活(≠研究室生活)を過ごすことができた

「放置系ブラック研究室で楽しく生きるにあたって」の補足 - 糞ネット弁慶