迷惑電話が一発で分かるアプリ Wacall をリリースした

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かかってきた電話が迷惑電話かが一発で分かる iOS アプリ Wacall (ワカル) をリリースした.

自分はいつも知らない番号から電話がかかってきた時,Web でその電話番号をサッと検索し,迷惑電話でないことを確認してから出るようにしている (毎回とてもめんどくさい).Android だと電話の機能をオーバーライドできるため,Whoscall のような迷惑電話拒否アプリがあるのは知っていたが,iOS でも何とか同じようなことできないかなあと思って調べていたところ, CallKit の登場により iOS10 から電話機能がサードパーティに開放されていることを知った.

調べてみると,CallKit を利用して迷惑電話かどうか分かるアプリはいくつかあったものの (Whoscall の iOS 版 にも実は実装されているもののほとんど知られていない),どれも有料で,かつ日本に特化した迷惑電話 DB を持っているアプリが見当たらなかったので,意外とブルーオーシャンなのではないかと思い,開発に着手した.

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アプリはとてもシンプルで,設定アプリで Wacall を ON にするだけ (1枚目).すると,かかってきた電話が迷惑電話の疑いがある場合、着信画面に「迷惑電話の可能性」と表示される (2枚目).3枚目は自分の電話アプリのスクショ.Wacall のおかげで迷惑電話かどうかを調べることがなくなったし,出ることもなくなった.迷惑電話は,Web 検索結果の口コミ情報をもとに約 10 万件が登録されている.

久々に全て1人でアプリを作ったが,アプリの開発はもちろん,迷惑電話データ収集,バックエンド API,LP,アイコン等のアセット,マーケなどなど,やることが大量にあって意外と大変だった.けど最近会社に忙殺されてて全然アウトプットができてなかったので,久々にアプリ出せて満足.(というかこれが今年初投稿だった.もう今年半分が終わってしまった事実に驚愕している…)

2016 年を振り返って

あっという間に年末になってしまったので,今年も 1 年を振り返ってみる.振り返り記事は年に 1 度の定点観測になっていて,年々の心境の変化などが分かり,自分を見つめ直すいい機会である.

雑感

今年は人生で間違いなく 1 番はやかった.脳が取り込む情報量が少ないと時間が過ぎるのがはやく感じるらしい.会社自体は激動の 1 年だったたが,確かに日々を省みると,会社行って開発して帰って… の単調な生活の繰り返しだったように思う.今思えば,大学・大学院時代や前職時代は本業を最小限に抑えつつ,むしろプライベートでいろいろやるのが本業みたいなノリで生きていたので,周囲からの刺激が多く日々長く感じていたのだろう.今年のように 1 つのことにフォーカスした生活は初めてかもしれない.仕事に追われる毎日は視野が狭くなりがちで考えものではあるが,人生においてようやく本業に本気になれる環境に身を置けたということは幸せなことだと思う.

会社はといえば,ちょうど 1 年頃前に共同創業し 1 年が経った.去年の今頃はまだオフィスすらなかったが,この 1 年で 2 回移転し,メンバーも 20 人を超えた.日々過ごしているとあまり実感しないが,改めて振り返ってみると,この 1 年で結構遠いとこまできたんだなあとしみじみする.金融という世界が全く未知だった 1 年前が遠い昔のようである.

会社のエンジニアは同世代のメンバーが多いが,自分より優秀な人ばかり.前職と比べても明らかに能力が高い人がそろっていて自信を失う程ではあるが,一緒に働きたかったメンバーと働けたりしてとても贅沢な環境に身を置けているように思う.自分はスキル的にも精神年齢的にもまだまだだと思うので,追い越せるように努力し続けたい.

会社ではフロントエンドをほぼ 1 人で実装している.フルスクラッチなためモダンな環境も導入しやすく,今のところ,設計・実装を含め秩序立った実装ができていて楽しい.ただ,1 人で実装していると,外部からのレビューが少ないため,もっといいやり方があるのになかなか気付けないといったことが起こりがちで,自分のスキルレベルがサービスのクオリティの上限となってしまうリスクがあると感じている.なので,仕事に余裕がある時期には積極的に勉強会に行ってインプットするようにしている.

前職に新卒入社する際,就活の際からフロントを志望していたものの 180 度真逆の R&D の部署に配属され,そこで 1 年半過ごすこととなった.そして今ようやく仕事でフロントを書いており,人生の軌道修正がされつつある.やはり自分はサービス志向の人間で,ユーザが直接目にするフロントやアプリの開発がとても楽しいと感じる.前職の R&D の部署はサイエンス至上主義な感じで,サービス開発を軽んじている人が多かったが,自分でものを創り出せなければ本質的には企画と何も変わらないと思っている.そういう意味でも前職を早い段階でやめてよかったし,ずっと居続けていたらどうなっていたのかと思うと恐ろしい.ただ,サービスのコアな部分や優位性となる部分は,やはりサイエンスを用いた知的処理になってくるので,前職の経験を活かしつつハイブリッドに取り組んでいきたい.

プライベートでは,今年はあまり開発できなかった.前職時代は会社がゆるく,土日は力がみなぎっていてバリバリ開発していたが,今年は仕事疲れからなのか,単に歳をとったからなのかは分からないが,日曜遅くまで寝てだらだら過ごすことが多かった.体力のなさを痛感しており,最近は週 1 で皇居を走っている.何はともあれ仕事だけでは消耗してしまってイキイキできないので,来年はまた日曜とかにプライベートでいろいろ作ったりしていきたい.ネタは結構たまっている.

社会人 3 年目になって,学生時代の友達が起業したり海外で働き始めたりと,続々と次のキャリアに足を踏み入れ始めた.自分ももう若いとは言えない歳になってきているので,目先のことを精一杯頑張りつつも,将来をしっかり見据えて来年 1 年を過ごしていきたい.

作ったアプリ

上でも書いたように,今年はあまり開発ができず,過去にリリースしたアプリのアップデートだったり,開発途中のアプリをリリースまで持っていったりといったものが多かった.

INTEMPO

日本アーティスト協会 と提携し,楽曲を提供してもらった.

inShade

フジテレビに取り上げられ,App Store の人気検索に出てきたりと,結構反響があった.

Hz

Mashup Awards 2016 の決勝にいった.

よかった本

今年も通勤時間でいろんな本を読んだ.数えてみたら全部で 100 冊くらい.10 冊に 1 冊くらい,読んでよかったって感じる本に出会えてる気がする.以下は今年読んでよかった本トップ 5.

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

古代の暗号 (カエサル暗号) から始まり,エニグマ,量子暗号と,どういった経緯でどのように暗号が発展してきたのかを追ったノンフィクション小説.当時は絶対破られないと思われていた暗号が突破され,それを受けて天才数学者がさらに上をいく暗号を発明するがそれも破られ… とどんどん発展していく様子は,まさにドラマである.イミテーション・ゲームでもあったが,第 2 次世界大戦ではエニグマの解読が勝利の鍵を握っており,どのように糸口を見出し,どのように解読されていったのかが詳しく解説されていて,血の滲む努力が伝わってきた.上下巻あったがおもしろくてあっという間に読み終えてしまった.さすがサイモン・シンといった感じ.
フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する

フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する

脳や心に関して,サイエンスがどこまで進歩しているのかが,最新の技術や研究に基づいて書かれており,ノンフィクションだが SF を読んでいるような気分になる.テレパシーや脳のリバースエンジニアリングなど,まるで夢の世界のようなものも,あながち夢とは言い切れないのだなあと感じた.自分が生きているうちにどこまで進歩するのか,非常に楽しみである.ミチオ・カクの本はどれもボリュームがあるが,その分読みごたえも抜群である.
さよなら、インタフェース -脱「画面」の思考法

さよなら、インタフェース -脱「画面」の思考法

  • 作者: ゴールデン・クリシュナ,武舎るみ,武舎広幸
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2015/09/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一時話題となった No UI について書かれた本.UI を画面ありきで考えるべきではないという著者の考えには同感で,あくまで手段の 1 つとしてとらえるべきであると思っている.画面だけにとらわれていては決して Pokémon GO みたいなアイデアは出てこないと思うし,自分もアプリのアイデアを考える時は,スマホをそもそも画面を見るものではなく,何かの目的の手段として利用できないかを考えるようにしている.
ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

様々なキャリアを持った 963 人の宇宙飛行士への応募の中から選ばれた候補者 10 人の,最終試験に密着したドキュメンタリー.宇宙での生活と同じく密室空間に 1 週間以上閉じ込められ,多くの負荷が与えられ続ける環境の中で,彼らが様々な試験をおこなっていく様子がリアルに伝えられている.リーダーシップはもちろん,ストレス耐性やチームワークなど,宇宙という一歩間違えれば死んでしまうような環境では,どれか 1 つでも欠けていれば致命傷になりかねない.特殊な能力が求められているわけではないものの,全てにおいて 60 点以上とることの難しさを感じ,同時にそれらは社会人としての能力を測るものさしと共通であるように感じた.
住まいの解剖図鑑

住まいの解剖図鑑

住宅設計に関して,基本的な設計原理を分かりやすく解説した本.普段当たり前のように過ごしている環境でも,間取りや配置の 1 つ 1 つに意味があることを知り,建築に対する視点が変わった.将来 IT 技術を用いて建築に関する仕事に携わりたいなあ.

【Mashup Awards 2016】今年も決勝へ

Hz (ヘルツ)Mashup Awards 2016 の決勝に通過し,3 年連続で決勝に進んだ.

Hz は 今年の夏にリリースした ,超音波通信を用いて Facebook アカウントを爆速で交換できるアプリ.今年は仕事も忙しくて特に出すつもりはなかったのだが,締切 1 時間前くらいに一応出しておこうと思いたち,ギリギリで応募.するとテーマ賞を受賞して 2nd Stage へ進出することに.

2nd Stage 通過の連絡が結構ギリギリ (その週の頭くらい?) にきて,そっから毎晩仕事後にスライド作りで結構キツかった.アプリ自体はとてもシンプルなため,普通のプレゼンをしても多分決勝は通過できないと思ったので,直前まで練ってかなりクオリティを高めた.そして 2nd Stage でのプレゼンの結果,5 位で通過しファイナリストに選ばれた.

去年,一昨年は AdriaBlue で決勝に進み,プレゼンはデザイナーのもえちゃんがやっていたので,決勝でプレゼンするのは今回が初めてだった.今年は 360 度観客に囲まれるステージで,どこ向いていいかも分からずめちゃめちゃ緊張した.

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今年も優勝することはできなかったが,このようなすごいステージでプレゼンできて個人的には満足.また,AdriaBlue のような天才プレゼンター,天才デザイナーのいるチームではなく,エンジニア 2 人のチームとして決勝に進むことができ,個人としての力を示せたことがうれしい.

また,このような場でプレゼンすることで,アプリを知ってもらえて,かついろんな方面からアプローチをかけてもらえたりするので,それだけでも出す価値があったように思う.いくらいいものを作っても,誰にも気付かれずに終われば全く意味がないので,チャンスは自ら創っていく必要があるように感じた.今年はもういいかなあと思っていたが,とりあえず出してみてよかった.

あと決勝で気になったのは,去年と同様にハードウェアの作品が決勝でも多かったものの,ネット回線が混みすぎててデモがうまくできない作品がいくつかあったこと.何でもかんでもネットにつなげるようになってはきているものの,それを支えるためのインフラが整っていないということを身をもって感じた.こういう問題が起こるのは時代の変わり目ということなのだろう.

以下は優秀賞 (20 万) とテーマ賞 (5 万) の記念品.テーマ賞は Facebook のノベルティをいろいろもらったが,中でも Instagram の T シャツがアツい.

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最近は仕事が忙しくて趣味での開発がめっきり減ってしまったが,たまにこういうのに参加していろいろ作品を見るとインスピレーションが沸いてモチベも上がるので,定期的に刺激を受けられる環境に身を置くことは大事だと再認識した.

3 年前に初めて学生で参加したのがとても懐かしい.この頃は 2nd Stage に通過しただけで大歓喜で,決勝なんて夢のまた夢だったが,今思うと気付かぬうちに遠いところまできたんだなあとじみじみと感じる.

以下は 2nd Stage,Final Stage で個人的におもしろいと思った作品.

ホッパースクラッチ R-18
床に投影した水着の女の人の画像の上でホッピングし,飛び跳ねた場所に穴が開いて水玉コラみたいになる作品.発想の勝利だなあと思った.こういうアイデア出せるようになりたい.

年収800万円以下でも寿司が止まって見える装置
高速で回転している寿司に点滅する照明を当て,ゾートロープにより止まっているように見える装置.才能の無駄遣い感が出ててとてもよかった.

なんとかめーかー りある
1 人がゲーム画面を操作し,もう 1 人がボードを操作するという非対称な 2 人用ゲーム.2 次元と 3 次元が融合したインタフェースがおもしろいと思った.

トイレの神様
トイレ・便座にセンサーを設置し,いろんな機能を持たせた作品.便座への座り方で,家族くらいの人数であれば誰なのか分類できるということを実証していてかなり興味深かった.昔 IoT × トイレでいろいろアイデア考えたことあったなあ…

AMAGUMO
例年 1 つはある,電博っぽい感じのクリエイティブ作品.動画の見せ方など,かなり参考になる.

【2016.11.19-20】秋の京都へ

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先週末,大学時代の友人の結婚式で久々に京都へ.ちょうど紅葉シーズンですごい人だった.海外の観光客も多いためかホテルも高騰しており,ビジネスホテル素泊まりで 1 泊 2 万くらいした.

学生時代 6 年間住んでいた時には当たり前のように感じていた景色も,今となっては全てが美しく見えるようになった.鴨川に癒され,ノスタルジックな気分に浸らされる.人生のどっかのタイミングで,また京都に帰ってきて住みたいなあと真剣に思う.

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清水寺はまだピークではなかったものの,紅く色付いていてきれいだった.このシーズンに清水寺行ったの初めてな気がする.ベタな観光名所って住んでる時にはなかなか行かないものだよなあ…

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恵那くのつけ麺が食べたくて一乗寺へ行った.叡電は貴船に行く人で溢れ返っており,一乗寺に行きたいだけなのに大混雑に巻き込まれて辛かった.やはり京都での移動はチャリがよい.

3 年ぶりくらいだったが,変わらず安定の美味しさだった.東京でもいろいろつけ麺を食べに行っているが,まだ恵那くを超えるつけ麺には出会えてない気がする.

献血 10 回達成した

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11/3 の献血でちょうど 10 回目だったようで,いろいろ記念品をもらった.学生の時に京都で初めて行ったのをきっかけに,東京に来てからも時間がある時に行っている.

献血すると抜いた分新しい血がつくられるので身体によいと言われているが,実際に献血に行くとしばらく体調がよくなっている気はしていて,それがモチベーションになっている.その結果として誰かの命を救えているなら Win-Win であるように感じる.

献血ルームによっても雰囲気は結構違っていて,個人的には吉祥寺の献血ルームが 1 番好きでよく行っている.渋谷とか池袋とかの献血ルームは混んでて待ち時間が多く,看護師さんも結構バタバタしている印象だが,吉祥寺は休日でも割と空いていて落ち着いた空気が流れている.

学生時代につくった 人生の 100 のリスト に書いてある「 献血 10 回以上する」をあっけなく達成してしまった (当時は 10 回というのはハードルが高かったのだろうか) が,今後も毎年 3 回 (全血献血は年 3 回まで) 継続して行き,30 回,50 回と達成したい.

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過去にもらった けんけつちゃん グッズをあさったら結構出てきた.